2013年12月3日火曜日

[J:3] プロローグ3:僕の「点と点」~シドニーに立つ~

English version is here!(英語版はこちら)
http://cycle93oz-en.takeshitakama.com/2013/12/e3-prologue-3-my-to-dot-landed-at-sydney.html



最後のプロローグとして、費用以外の準備と、シドニーに到着するまでを書く。次からは20歳の僕にバトンタッチする。それでは、どうぞ!


桜が咲くような頃に、飛行機に乗って、成田空港からオーストラリアに行った。三楽荘の隣部屋に住んでいたお兄さんが駅まで見送りに来てくれた。飛行機洗いの仕事の為に、あれほど何晩も通った羽田空港から出発出来なかったが、20年前は、羽田空港は国際空港ではなかったので、しょうがない。

飛行機の仕事は最後までした。オーストラリアの状況が良くわからなかったため、出来るだけ資金をためておきたかった。昼間は大使館に行ったり、図書館に行ったりして、オーストラリアを自転車で一周するための情報を集めた。砂漠は氷点下になると書いてあり、冬山用の寝袋を間違って買ったりした(小山くん:買い取ってくれてありがとうございました)。近所の「町の自転車屋さん」に一週間に数回通って、お手伝いをさせてもらいながら、自転車の整備を学んだ。パンクやタイヤ交換は素早く出来るようになり、チェーンの交換やブレーキを使ったホイールの調整も学んだ。ギヤの調整も学んだが、これはなかなか思うように行かず、オーストラリアを自転車で駆け巡っている時も、ほとんど手をつけなかった。


自転車はオンもオフも行けるクロスバイクにした。国産の赤いバイクだ。赤い大地には、赤いバイクだろう。お世話になった「町の自転車屋さん」から、注文して購入した。あの頃はカタログをめくって、商店街のご主人に相談しながら買い物をする。今考えればあのおじさんも「オーストラリアを自転車で一周する」ために必要な装備は知らなかっただろう。でも、それでいい。そんなものだ。出発前に、「4畳半一間、風呂なし、電話無し、トイレ共同の木造モルタル・アパートメントである三楽荘」の部屋を引き払った。前日は、斜め向かいの部屋に住んでいた小山くんの部屋に泊めてもらった。四畳半に僕と小山くん、彼の荷物に、僕の自転車と渡航用具で、彼の部屋は満杯だった。

そして、隣に住んでいた三楽荘のお兄さんが、最寄りの駅までこの荷物を運んでくれた。空港についた時は不安です。初めての海外旅行で、オーストラリアを自転車で一周しようとしているから当然だ。

「僕はいったい何をしているんだ。」

たまにおかしな事をしている時に、我に帰って思うことがある。この時もそう。

「何のために、こんな事をしているんだ。」

「就職を断って、親に心配をかけて、僕はどこに行くのだろう。」

我に帰ると、おかしな事をしていると思うが、好きな事に全力で進んでいるだけだ。それは、一般の人が考える成功像とは違う。その事をふと思い出すことがある。かっこいい職業、お金になる事、就職がしやすい学部を避けて通ってきたかもしれない。学部時代に、修士コースのバイオインフォマティクスを取らせてもらって、Aをもらい、続けることを勧められたが、環境学に進んだ。経済学もお金になるマクロより、行動学のマイクロが好きだった。気候変動の研究に関しても、ビジネスになる緩和策より、途上国問題に近い適応策の方が好きだ。好きな事だから、より一生懸命取り組むことができ、前に進める。




スティーブ・ジョブズ氏が、「今やっていることが将来に繋がるかどうかは、振り返らないとわかりません、だから繋がることを信じてください」とスピーチしている。空港についた20歳の僕は、スティーブ・ジョブズ氏の様なメンターはいなかったので、今の点と将来の点が繋がることは知らなかった。しかし、すぐに後ろ向きの考えは捨てて、前に向かって行動し始めた。自転車を運んだので、僕の荷物は明らかに重量オーバーだった。だから、同じ便に乗る身軽な人に頼み込みこんだ。

「オーストラリアを自転車で一周するために、飛行機に乗りたいのですが、重量オーバーです。だから、これをあなたの荷物として、運んでもらえませんでしょうか。」

サラリーマン風の人からは断られたと思る。何人か話して、大学生風の一人は怪訝な表情をしていたと思うが、引き受けてくれた。何時間も飛行機に乗るのも初めてだった。アイルランドから来た金髪の女性の隣に座るのも初めてでした。そんなこんなで、1993年3月末に、シドニーに真っ赤な自転車をもった20歳の僕が降り立つ。


今から思うと、点としてのオーストラリアの自転車旅行をした僕は、点としての倍率100倍以上のオックスフォードの奨学金をもらった僕につながった。奨学金の面接の時に、オーストラリアの自転車旅行の話をたくさんした。僕より優秀な候補者はいたと思う。しかし、この一件は僕を烏合の衆から、出してくれたと思う。ジョブ氏が言うように、この事は成田空港に立っていた僕にはわからないことだった。若者は先人の話を聞かないものだ。だから、「今が未来に繋がると信じて、打算的に行動する」必要はない。とにかく、コツコツ自分が好きで得意なことを続ければ良い。他人から見たら、それは成功では無いかもしれないが、振り返れば楽しい人生を送っているはずだ。

2 件のコメント:

  1. 訂正です。
    >20年前には国際線は羽田空港から飛んでいなかった→20年前は、羽田空港は国際空港ではなかった・・・ 

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    返信
    1. ありがとう!修正いたします。

      削除

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